食生活に活かす東洋医学の知恵

健康志向を反映してか、サプリメントの広告、チラシが多い昨今です。

健康のためにサプリメントもひとつの手段ですが、医食同源という言葉があるように毎日の食事の積み重ねがメインであり、サプリメントは補助として考えたいものです。

東洋医学の観点から病気を防ぐ食生活のポイントをふたつ挙げてみました。


① 陰陽のバランスを心がける

この世のすべてのもの、いいかえれば自然界は「陰」と「陽」のバランスで成り立っています。

人体もしかりです。

体内の陰陽のバランスが崩れると自然治癒力が低下し、病気にかかりやすい状態になってしまうのです。

食べ物にも実は「陰性」「陽性」があります。

たとえば、夏が旬のトマトやキュウリは陰性の食べ物です。暑気でほてった体を冷やしてくれます。

逆に冬が旬のゴボウやにんじんは冷えた体を温めてくれる陽性の食べ物です。

だから、冷え性の人が冬にトマトやキュウリを好きだからといって多食することは余計にからだを冷やすことになってしまいます。

今の時代は旬がない、季節感がないといわれます。

探せば冬でもスイカが食べられます。

好きなものを、好きなときに、好きなだけ食べれる時代…。

「天人合一(てんじんごういつ)」「身土不二(しんどふじ)」

人間も自然界の中で生かされている一生物であり、からだも土も最終的には一体であることを説いた言葉です。

自然の法則にしたがって食べ、生活すれば成人病にはならないはずなのですが現実は簡単ではありませんね。

飽食社会が偏食を生み、結果的に体質を弱め、病気の一因となっている面もあると思います。


食品を陰陽で少し分類してみます。


主な陽性食品

ごぼう、にんじん、自然薯などの根菜類。

梅干、みそ、自然塩、魚、肉、卵、その他。


主な陰性食品

ナス、トマト、キュウリ、ジャガイモ、モヤシ、

きのこ、とうもろこし、キャベツ、イモ類、

柿、みかんなどの果物、大豆などの豆類。

少しでも参考になればと思います。^^)



②五味(ごみ)に注意

東洋医学の考え方に「五味」を過不足なく摂ることの重要性が、2千年以上前の古典に記されています。

「酸(さん)」「苦(く)」「甘(かん)」「辛(しん)」「鹹かん)」の五つの味を指します。

酸っぱみ、にがみ、あまみ、からみ、しょっぱみ、が内臓の働きと密接であることを説いています。

不足するとうまく働いてくれませんが摂り過ぎると病気になってしまうことを教えてくれています。

具体的には次のとおりです。

    酸味  肝
    苦味  心 
    甘味  脾(主に消化器系)
    辛味  肺    
    鹹味  腎

酒のつまみには酢の物を一品、甘党は糖尿病に注意、塩分過剰は腎臓病のもと、と説いているのです。

まったく現代の食事と病気の関係を言い当てています。

古代人の観察眼には敬服してしまいますね。^^)

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