逆子治療と鍼灸(3)

2回目のエコー検診が延び延びになり、36週目に入った段階でやっと結果が判明。

しっかり治っていましたぁ! (ホッと安堵。^^;)

36週以降になると胎児も大きくなるため、今までのように子宮内を自由に動き回れなくなります。

よほどのことがない限り、このまま行ってくれるでしょう。

以前、40週近い妊婦さんに逆子治療をしたことがありました。

胎児はだいぶ動いたのですが、回りきれず最終的に帝王切開になってしまいました。


実はNさんの義姉さん(ご主人の姉)もここで逆子治療を受けて治っています。

義理の関係とはいえ姉妹で逆子を鍼灸で治したというのは珍しい。(笑)

あらためて、ツボって不思議ですよね~。


逆子治療で使う「三陰交(さんいんこう)」というツボは婦人科系の要穴(ようけつ:重要なツボの意)として知られています。

名前の由来は3つの陰経(いんけい)が交わっていることから来ているようです。

その3つとは「肝経(かんけい)」「脾経(ひけい)」「腎経(じんけい)」です。

深く掘り下げてゆくときりがありませんので、かなりおおざっぱに述べてしまいますと、まず「肝経」が血を養ったり、精神を安定させたり、といった働きをします。

「脾経」は食物の消化吸収の要となり、「腎経」は人体の成長、発育のコントロールをしています。

もちろん各経とも働きや機能はこれだけではありませんが、これだけでもとても重要な経絡(ツボの流れ)であることはお分かりいただけますね。

逆子治療には必ずしも必要ない、という先生もおられますが、妊婦さんと胎児の健康状態を良くするためには三陰交併用がベターであると考えます。


「至陰(しいん)」というツボは「膀胱経」に属し、最後のツボです。

足の太陽膀胱経(あしのたいようぼうこうけい)というのが正式名称で陽経(ようけい)です。

陰経とか陽経とかの説明を始めると話がそれて行きそうですから、なんとなくのイメージで捉えておいてください。

陽経なのに「至陰」という陰の字が付いています。

由来を調べると、ここから陰に向かって転換してゆく、つまり陰に至るツボ、ということのようです。

これは私の推測ですが、(根拠らしい根拠はありません。^^)「至陰」は「子宮」を指しているのではないかと思っています。

東洋医学の陰陽論でゆくと体表(皮膚)は陽、体内に入ってゆくほど陰が強まります。

子宮や卵巣は陰が極まった場所に存在しており、「至陰」とつながっているのではないかと思うのです。

だからこのツボに刺激を与えると逆子が治るのではないかと思うのです。(都合の良いこじつけかな~。笑)


少し読者の皆さんの頭がこんがらかったところで、最後に「補(ほ)とシャ(しゃ)」について述べてみます。

逆子治療と鍼灸(2)で少し述べましたが、「三陰交」には「補」のお灸、「至陰」には「シャ」のお灸をするのです。

これを間違うとかなり効果は落ちてしまいます。

簡単に言うと「補」のお灸とはやわらかい刺激、つまり熱すぎないようにします。

「シャ」のお灸とは、一瞬「あつい!」と感じるような刺激を与えます。

なぜこうでなければならないのかは、…不明です。

先人達の長年の積み重ねから得られた真理ですから。^^)

私のこじつけ論から行くと、「補」はおぎなう(気や血など)の意味とゆるめる、という概念も含んでいると思います。

「シャ」は排泄する、過剰なものや邪気を外に出す、の意味のほかに締める、緊張させるという概念もあると思います。

つまり自律神経でいうところの交感神経と副交感神経的な役割分担を、この2つのツボの「補シャ」刺激でさせているのではなかろうか、などと思うのです。

さらに頭がこんがらかってきたところで、今回はこれにて終了とします。

なんと無責任で乱暴な終わり方でしょう。(笑)

とにかくこの2つのツボを使って治療をすれば(一定の条件が必要ですが)逆子はかなり治りますよ。(^^

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